コマクサを求めて〰蔵王熊野岳

7月26日に梅雨明けした東北。連日猛暑が続いている中、7月29日、コマクサを求めて蔵王熊野岳に登った。蔵王ライザスキー場の中ほどから登山道に入り、仙人橋を渡り、標高1,562mの中丸山を目指した。

小灌木越しに遠くエコーラインを望む

ほぼ無風状態で、朝から蒸し暑く、階段上ではないが急な上り坂が続く中、楢の林の中をひたすら登る。登り始めて30分、途中、視界が開け、仙人沢の滝が見えるところに着くころには汗びっしょりの状態だった。この辺から、周囲がブナの林に変わり、さらに俗称嫁起こしと云われる柘植などの小灌木に樹相が変わり、場所によっては、振り返ると上山の市街地が望めるようになる。時折、蔵王エコーラインを走るバイクの音なども聞こえ、夏休み本番を感じさせる。急な登りを過ぎ、登山道が木道に変わる辺りに来ると、第一の目標地点、中丸山が見えてくる。散りかけたシャクナゲの白い花がところどころに見える。時には風が渡ってくるが、時折射す日差しの方が強く、焼かれる感じがしたが、登り始めから1時間半、中丸山に到着。

目指す熊野岳はガスの中

中丸山からは、比較的緩やかな登りで、周囲のアオモリトドマツなどの針葉樹が放つフィトンチッドの香りに包まれ、快適に歩を進める。月見が原を過ぎるといよいよ熊野岳、蕾のトウウチソウ、アオノツガザクラ、花期の過ぎたコメバツガザクラの群生など見ながら、迷うほどのガスではないが、木柱を頼りに山頂を目指す。

蔵王のシンボル〰花期の過ぎたコマクサ

ガレ場に入るとすぐに、コマクサの群落。ちょっと花期が過ぎた感じであったが、久々のコマクサとの対面。ガレ場の中に逞しくも可憐なコマクサには、どこか人を引き付けるものを感じる。熊野岳山頂。9時40分。登り始めから丁度3時間。山頂は、薄いガスの中。西の風が強く、下界の暑さが嘘のように、薄手の長袖では寒さを感じるほどで、岩陰で風を避けて大休憩。頂上からの御釜の展望を期待したが、ガスが濃く、止む無く下山。あきらめかけていたが、途中で雲が走り始め、御釜の姿が眼前に。普段、レストハウス近くの柵のところから眺める御釜の姿とは異なる角度で、より近くに迫る乳色がかった緑の湖面とそそり立つ火口壁に、しばし見とれた。

説明を要しない蔵王の御釜

御釜を眺めながら、早めの昼食を終え、12時丁度。下山開始。コバイケイソウは、まだ咲いていないが、熊野岳に向かう途中には蕾だったトウウチソウがいたるところで、穂先に僅かに赤をのせた白い花を咲かせていた。数年前に9月に鳥海山に登った時に覚えたトウウチソウだが、蔵王の花期は早いのだろうか。唐打草、カタカナでも意味がわからないが、漢字にしても意味不明。調べてみたら唐打紐という丸紐の名前だそうだ。別名唐糸草、外国から伝わったきれいな絹糸のような花の意味だそうだが、この方が分かりやすい。

 普段は、車でしか通ることがないエコライン沿いの登山道だが、チングルマのヒゲ爺さんの群落。

ヤマブキショウマ それともトリアシショウマ

ヤマブキショウマだろうか白い花や、黄色の小さな花の群落など、色々な花々に、機会があったら、別な季節にも訪れてみたいと思わせる。途中、スキー場のゲレンデを下り、終点間近、お清水の森(おしずのもり)へ。

西国三十三観音 修験の森の佇まい

西国三十三観音像、ねじれ杉などかっての修験の森を感じされる鬱蒼としたブナの森。そして、なんと云っても「お清水」と呼ぶに相応しい冷たい湧水。喉を潤し、火照った顔を洗い13時30分、無事下山した。

 

 

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